展望・構想VISION

「地域の声に寄り添い弁護士と
司法の未来を創る」

司法をすべての地域から

 現在、裁判所や弁護士など、司法を担う物的人的体制について、都市部とそれ以外の地域の間に様々な差が存在しています。私自身、本年に限っても、203ある支部のうち優に半数を超える現場に足を運び、全国の弁護士の声に耳を傾け、その実情を目の当たりにしました。

 私は、山形県で生まれ育ち、東京で弁護士経験を積んだ人間として、日本全国すべての地域から、人と社会を支える確かなインフラとして、司法がその役割を活き活きと果たす社会を目指したいと考えています。

 地域司法や司法過疎対策等の分野でこれまで日弁連が懸命に進めてきた取り組みをさらに前進させ、デジタル化の進展等、社会全体の急速な変化を踏まえ、これまで以上に多様な関係者の理解や協力を得て、これからの時代にふさわしい司法インフラの拡充を考えていきたいと思っています。

弁護士の社会的・経済的基盤の確立

 昨今の国内外の政治・経済の急激な変動や、AIに代表される科学技術の目覚ましい進展が、私たち弁護士の業務や生活に大きな影響を与えることは避けられません。

 しかし、このような転換期にあってこそ、私たち弁護士は、弁護士自治や普遍的なアイデンティティを護りつつ、時代の変化に柔軟に対応し、乗り越える逞しさや創造性をもちたいと考えます。

 全国の弁護士ひとりひとりが主役となって、その活動・活躍の幅を豊かに広げていく好循環を目指し、皆さんの叡智を結集し、私も持ちうるすべてのエネルギーを投入していきたいと思います。

 私は、弁護士のプレゼンスと経済的基盤を強化していくためにも、全国の弁護士と協働し、多くの新しい試みに果敢に挑戦していきたいと考えています。

多文化共生社会の実現に向けて

 時代がどのように変化しても、立憲主義、平和主義、基本的人権の尊重など、決して変わるべきでない、そして変えるべきではない普遍的価値があることは、言うまでもありません。そのことは、普段企業法務等で活躍する弁護士にとっても、異なるものではありません。こうした普遍的価値は、企業統治・運営においても、共通の原則であり前提でもあるからです。

 私は、昨今の国内外の社会・政治の諸情勢から、社会が多文化や多様性に不寛容になっていくことを、強く危惧しています。

 このような時代にあって、私達弁護士は、高齢者・障がい者、子ども、外国人や性的マイノリティの人権等、多様な分野の人権擁護や、まだまだ存在する男女格差を含むあらゆる差別・格差との闘いを続けていきます。

 そして、日弁連は、多文化や多様性に寛容な社会を実現するべく、一層、積極的かつ効果的に、内外に対し、必要な発信を行うべきと考えています。

主体的に情熱的に未来を創る

 このように、現在、私たちが直面する課題は多岐にわたり、いずれも困難であるように見えます。

 しかしながら、明治の時代から幾多の困難を乗り越えてきた先達の歴史を思えば、今を生きる弁護士に、この時代を乗り越えられないわけがないと、私は信じています。

 弁護士を目指すまだ見ぬ後進達のためにも、どんな状況にあっても、前を向き、情熱的に明るく未来を語り、豊かな弁護士像を創り上げる気概をもち続けるべきです。こうして有意な法曹志望者を増やすことができると、考えます。

 どこの地域にいるかはもちろん、事務所の規模や、所属する組織、取り組む業務にかかわることなく、すべての弁護士ひとりひとりが主役となって、熱く未来を語り、豊かな弁護士像を作り上げる挑戦を共にして頂くことが、私自身のチャレンジでもあり夢です。

 皆さん、逞しく、情熱的に、そして主体的に、私とともに、新しい未来を切り開き、創り上げていこうではありませんか。

 一人でも多くの皆さんのご支援・ご協力をお待ちしております。